ラチェットは、動作方向を一方に制限するために用いられる機構である。極めて広範に用いられ例えば自転車、回り木戸、レンチ(一定面内での回転が容易になる)、巻取機(ワインダ)、ジャッキなど、また2000年頃より作業用安全帽のヘッドバンドにも使用されはじめている。
一般に、ラチェットは歯車と歯止め(爪)を組み合わせてラックに取り付ける。ラチェット用の歯車は通常の歯車と異なり、歯を傾けてある。この傾きがラチェットに方向性をもたらしている。
爪は薄いが頑丈な突起物であり、歯車にもたれ掛かるように配置される。歯車が適する方向(図1では反時計方向)に回転する時は爪は容易に歯を乗り越えてまた元の位置に落ち着くが、時計方向に回そうとすると爪が歯に食い込むので回転させることができない。